社会モデル






(1)「社会モデルで考える」ためのレッスン

  --障害者差別解消法と合理的配慮の理解と活用のために
松波めぐみ (著)  
出版社 ‏ : ‎ 生活書院 
発売日 ‏ : ‎ 2024/7/31
単行本(ソフトカバー)

障害者差別解消法や合理的配慮などについて、大学や企業等で講師をつとめる松波めぐみさんが雑誌に連載していたエッセイに書き下ろしを加えた読みやすい一冊です。松波さんが日々考え続けてきた疑問や矛盾に焦点を当てて書いています。

本書を購入後、2024年8月にオンラインで行われた「刊行記念イベント」を視聴しましたが、今までなぜこんなに勘違いしていたのかと驚くことばかりでした。もちろん医学モデルと社会モデルの違いは知っていました。しかしそれは言葉を知っているというだけだったということでしょう。

合理的配慮とは特別な思いやりではなく奪われてきた権利の回復なのだということ。たった一人の人からでも権利の回復は求めていいということ。私たちは知らず知らずのうちに特権を持つ側に回ってしまっているということ。気づきの多い一冊です。聴覚障害者の情報保障についてもいくつかの事例が書かれています。




(2)社会の障害をみつけよう: 一人ひとりが主役の障害平等研修 
久野研二(著)
出版社 ‏ : ‎ 現代書館 
発売日 ‏ : ‎ 2018/7/9
単行本 ‏ : ‎ 192ページ 


障害平等研修(DET)は、英国で1995年に施行された障害者差別禁止法を推進するための研修として始まりました。日本では2014年から障害平等研修フォーラム(NPO)がファシリテーターの育成や研修をを行っています。

障害を差別や排除という人権課題として見抜く社会分析の「視点の獲得」とその解決のために社会や環境を変えていく具体的な「行動の形成」が研修の目的です。

本書では医学モデルのことを個人モデルと呼んでいます。

個人モデルは障害を個人の問題ととらえ機能障害が原因でその結果「障害」が起こるという考え方です。

一方、社会モデルは機能障害と障害の間に原因と結果という因果関係はないと考えます。「障害」は社会にある差別や不平等が作り出したものという考え方です。

社会モデルは機能回復を否定するものではないこと、機能障害があることは受け入れるべきであることなどが、かなり詳しく書かれています。発見型研修と言われているこの研修は「障害」を理解し、いかに行動につなげていくかがポイントになっています。

本書を読むと知ることと行動できることの間には大変な壁があることがわかります。近年は多くの企業、自治体でこの研修が取り入れられているようです。行動までは長い道のりですが、知ろうとする小さな一歩はこのような本を読んでみることなのかもしれません。




(3)基礎から学ぶ合理的配慮連続講座






 



東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター
平林ルミ先生が提供してくださっている動画です。

全4回、各1時間~1時間半、1動画3500円、セットで10000円でレンタルできます。


第1回 合理的配慮の誤解を解く鍵は社会モデルにある〜視点が変われば社会的障壁(バリア)が見える
●第2回 合理的配慮の昔と今〜歴史を学べば課題が見えてくる
●第3回 対話なくして合理的配慮なし〜建設的対話とは
●第4回 合理的配慮だけでいいの?〜合理的配慮と環境の整備

平林先生は読み書き障害(ディスレクシア)の子どもたちにICT活用で支援する「学びプラネット」の主宰者でもあります。音声認識はこのような場面でも活躍しているのです。特にUDトークは小学校で習う漢字を学年別に表示させることができますので貴重なアプリと言えます

読書バリアフリーという言葉に引き寄せられて何度か「学びプラネット」のセミナーに参加しましたが、音声認識は素晴らしい技術だと実感しました。現在は小学校で合理的配慮を学ぶ機会があることも驚きでした。



(4)【トピック】今だから考える「UDトークのユーザーは誰か?」
UDトークの開発者 青木さんがHPに書かれているトピックです。青木さんは社会モデルを障害があることによって課題が発生するのはその社会自体が未成熟であるからと捉えています。
→詳細はこちらから

他にもトピックには面白いデータが書かれていますのでぜひ読んでみてください。
→トピックはこちらから



(5)よくわかる!聴覚障害者への合理的配慮とは?
  『聴覚障害者への合理的配慮とは?』編集チ-ム (著), 田門浩 (著)
  • 出版社 ‏ : ‎ 全日本ろうあ連盟 
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/6/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 176ページ


2016年に障害者差別解消法が施行されたタイミングで出版された本です。法律は改正により多少変わっている点もあるかと思いますが、基本をおさえるのには問題がないでしょう。

聞こえないことで起きる日常的の困りごとが実例に沿って書かれています。トラブルを解消するためにできることや利用できる制度を場面ごとに解説している点が特徴です。

本書も社会モデルの意味を解説していますが、知識としてだけではなく具体的に私たちにできることが書かれていることが読みやすさにつながっている印象です。











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